もやし

恋の渦のもやしのレビュー・感想・評価

恋の渦(2013年製作の映画)
3.9
監督が最近流行りの大根さん、脚本が何者の三浦大輔さん。

うーんこういう映画って何て言うの?笑
普通に面白いエンタメ映画にちょっとメッセージ性も組み込みましたみたいな?
エンタメ性とメッセージ性のちょうど中間だから何とも言えない感じになった。

ヤンキー(ってもう言わないんだっけ)の群像劇。
なんか知り合い同士で集まるぞーみたいになって、ちょっとオタっぽいいじられキャラのオサムが彼女いないってことで紹介してやろうぜっていう悪ふざけに近いことをやって、来た女の子があんまり可愛くなくて、なんか変な感じになっちゃうところから始まる話。

皆でガヤガヤしてるときはほんと中身ねえなーって感じなんだけど、三々五々別れてから一気に多面性が出てくる。
普通にオサムがクズってところが良いよねw 非リアでもいじられキャラでもクズはクズ。まあクズってほどでもないか。皆こんなもんか。

リーダー格の奴の、謎の論理の強さね笑
言ってることすごく自分勝手なのに何故か相手が反論できないような方向に絶妙に持っていく。話のすり替えが上手い。
こいつは普通にモラハラ男で最低としか言えないけどね。

あとはリーダー格の弟か。
大学生で、普通に全然駄目なことしてるくせに、頭良い風になんか物事を分析してみせる感じがおもろい笑 女の子がそれに妙に感心してしまう感じとか笑 いや感心はしてないか笑

あとはお調子者のタカシ。
最初集まったときから浮きまくり。
妙な明るさと元気さがあって、根はすっごく真面目で、この人いなかったらこの映画成り立たないね。人の良い人。


会話の内容自体は何てことない雑談だったりしょうもない論戦だったりするんだけど、実はかなり微妙で危うい心理戦みたいになってる笑
ほんの些細な理由でどんどん嘘が積み重なってく。多面性が見えてくる。
一瞬だけ「別離」思い浮かべた笑
でも別にその心理戦の結果何が起こるわけでもないから関係ないんだけどね笑

登場人物の適当すぎる行動や言動の連続に、流石にお前ら何やってんのと思って見てるんだけど、段々なんか自分にも心当たりが出てきて居心地が悪くなってくる笑
環境こそ違えど精神年齢は同じなわけで、本質的にはやってること、言ってることは同じ。
薄っぺらいなーあはははって見方をする映画なのかもしれないけど、どうにもそういう風には見れなかった。

なんか見ててすごく思ったのは、こんだけ適当で危うくて失敗だらけでも別にいいんだなってこと。いやさほど上手くはいってないんだけど、でもそれを地でいって普通に生きてる人がいるんだなと思えたというか。そう思わせてくれるリアリティのようなものがあった。
自分は人生について真面目すぎたし慎重すぎたんだなと笑
もっと気軽に行動していいはずなんだ。
馬鹿みたいな失敗だって全然していいし、そうやって人はちょっとずつ成長していくんだ。
といつか思えるようになれたらなあ…笑


無意味に長文書いちゃいましたが、完全にそういう映画じゃないです笑
普通に面白い人間模様を描いた下ネタ多めの娯楽作って感じですね。
ヤンキーの一面を知りたい人とか、舞台的脚本が好きな方は暇潰しにぜひ。
もやし

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