竜平

エリジウムの竜平のレビュー・感想・評価

エリジウム(2013年製作の映画)
3.7
貧民たちが暮らす荒廃した地球と、そこから移住した裕福な者たちが暮らすスペースコロニー「エリジウム」を舞台に巻き起こる事件と攻防。マット・デイモン主演で贈る近未来SFアクション。

SFのジャンルを土台にして格差社会や差別を描くという、ニール・ブロムカンプ監督の得意分野とも言える作風が冴え渡る。ひょんなことから巻き込まれてしまう悲劇の主人公、支配や抑圧からの「解放」や「革命」といったストーリー、ハイテクとレトロがかけ合わさったような独特なビジュアルの機械や武器、などなど、彼の前作にして初長編作品でもある『第9地区』からの流れをしっかり踏襲。まぁでも言い換えると、少し設定を変えつつじつはわりと同じような内容だったり、ってのはあまり深く突っ込むべきでない部分。まぁでもこの世界観とか、好きな人は問答無用でワクワクできちゃうと思う、俺もその口。今作の見どころはというと富裕層と貧困層を痛烈に写し出すストーリー、と見せかけて、単純にかっこいいメカニカルアクションと言えるのかなと。スキンヘッドでムッキムキのマット・デイモンの魅力と、パワードスーツやマシーンを駆使しての近未来バトルに酔いしれる、という感じ。にしても体に直接埋め込んだり血が噴き出たりって描写がなかなか痛々しかったり。脇を固めるシャールト・コプリーやウィリアム・フィクナーといったキャストが物語を更に彩る。ジョディ・フォスターの見事な噛ませ犬っぷりだけは笑いどころ。展開や流れもわかりやすくて、良くもわるくもサラッと見れる。総じて、軽めに楽しめる佳作、かな。嫌いじゃない。

関係ないけど出てくる機械のディスプレイが個人的に好みだったり。ファミコンとかそこらへんっぽい。そんでマット・デイモンが使う銃、何あれ被弾する直前で破裂するみたいなやつ超かっこいい。これもゲームとかで出てきそう。うん、要所要所でゲーマー心をくすぐられるってゆー。
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