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ラッシュ/プライドと友情のRiNのレビュー・感想・評価

ラッシュ/プライドと友情(2013年製作の映画)
4.1
『良縁の話』

人生の大部分は縁である、と思っています。両親、兄弟、友達、恋人、子供、教師に同僚や仕事の相手まで。どのような縁を持つかで、その人生の色彩は決まっていくのではないかと思うのです。

そして今作で描かれるニキ・ラウダとジェームズ・ハントの出会いは、とても幸運な良縁であったと思います。

ライバルって、そもそも、そうはいるものではありません。子供の頃は、多くの人にそんな存在の覚えはあるかもしれません。逆上がり、どっちが先にできるか、とかね。
だけど大人になって、それこそ同じ生業で切磋琢磨できる相手なんて、そうそう現れるもんじゃないと思うんです。しかもこんな風に、自分とは全く違う(積極的には認められない)スタイルでありながら、同等の結果を出して競ってくる相手です。否が応でも価値観を踏み広げてしまうような相手です。
そんな出会いは、夢に出てきたような素敵な恋人を得るよりも更に稀な気がする。いいな、羨ましいな。

そして二人の仲は、フィクションではありえない物語を作り、フィクションではありえない、しかしだからこそこれ以上のない、終結を迎えます。
こんな出会いを持てたら、最初から最後まで二人が羨ましくて仕方ない映画でした。

それにしても二人、本物の写真をいくつも見ましたが、とんでもない似せっぷりですね。役者もすごいけど、キャスティングもメイクも衣装もみんなすごい。みんなマジの映画って気持ちいい。
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