OASIS

バーニー みんなが愛した殺人者のOASISのレビュー・感想・評価

3.4
1996年にテキサス州のカーセージで、39歳の葬儀店員が81歳の大富豪の女性を殺害したという事件の記事を基にした映画。
ジャック・ブラック主演、リチャード・リンクレイター監督。
「スクール・オブ・ロック」のコンビという事で、コメディ要素強めかと思いきや、ラストはとても悲しい結末になってしまい気分が沈んでしまうような作品だった。

ジャック・ブラック演じる葬儀屋店員は、自分が利益を得るよりも他人の為に尽くすような人で、街にやってくるや否や瞬く間に人気ものになっていく。
その人柄で、夫を亡くした大金持ちの未亡人に気に入られ、一緒に暮らす内に段々と彼女にイライラを感じてしまい、ついに撃ち殺してしまう。
この行動の理由が特に明かされないので、彼は本当に皆に愛されるような善人だったのかが分からなかった。
一時の気の迷いにしては、背中から何発も銃弾を撃ち込んだりしていて殺意は感じるものの、それまでもそれからも彼の心情は特に描かれないのでモヤモヤしてしまった。
シャーリー・マクレーン演じる未亡人がとにかくイラッと来る行動をしてとことん悪役に描かれているから、気持ちも分かるのだけど。

街の人のインタビューを挿入しながら進むので「アンビリバボー」を観ている気分にはなったが、ジャック・ブラックの歌声は素晴らしいし、少しだけだが地方検事役で出ているマシュー・マコノヒー兄貴の法廷劇での存在感は流石。
ラストはすっきりはしないが、役者陣の演技は軒並み素晴らしい映画でした。
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