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人魚伝説のRyuのレビュー・感想・評価

人魚伝説(1984年製作の映画)
3.8
夫婦でアワビ漁で生計を立てている啓介とみぎわ。ある夜のこと、啓介が海上で船が爆発する事件を目撃。死体が上がらないことが気になった啓介はみぎわと共に現場の様子を伺いにいく。しかし、みぎわが海に潜っている間に啓介は何者かに銛で殺されてしまう。負傷しながらも命からがら助かったみぎわだが、夫殺しの濡れ衣を着せられてしまう。夫は誰に、何故殺されたのか?それを知ったみぎわは復讐の鬼となる。

これは中々の衝撃作でした。とにかく主演の白都真理の体当たり演技が光ります。脱ぎっぷりも潔いし、血にまみれながらぶっ殺しまくるシーンもスゴい!ここまでできる女優さんはそうそういないのではないでしょうか。彼女の演技の裏には監督からのの無理難題や監視され続けるなど相当な苦労があったみたいですね。
事件の裏には原発誘致が絡んでおり、大きな権力による悪には終わりがないという虚しさみたいなものもラストに感じられます。
主人公が海女さんのため、海に潜ることも多く、一面青い水中のシーンも印象的でした。しかしそんな青をも凌駕してしまうほどの血がやっぱり一番インパクトありました。凄まじいバイオレンス描写なんですけど、血がブシャーって吹き出しまくるのがちょっと気になりますね(笑)。時代らしさを感じれるのですが、いかんせんリアリティに欠けるかな。
振り切ったエロスやバイオレンスにカタルシスを感じつつも、終わりのない復讐にはなんか物悲しさも感じたりもしました。
監督が今作のロケ地の海上で遺体で発見されたということで、それを知った上だと余計に切なさを感じます。
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