ふき

飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲のふきのレビュー・感想・評価

4.0
悪魔のいけにえシリーズの七作目であり、一九七四年公開の一作目『悪魔のいけにえ』の直接的な続編。

この手の八〇年代スラッシャー映画にありがちな、「調子こいた若者が田舎の家に行ったら殺人鬼が出てきて血がブシュー」を、前半を使って一気にやってしまい、その後とんでもない方向にシフトして行く。
といっても、冒頭のシークエンスとタイトルで、八割方想像できるネタと言っていい。それでも本作が一定の見応えを有しているのは、レザーフェイスの「肯定化」だろう。
スラッシャー映画は「登場人物がほとんど死ぬ」という構造的に、シリーズを重ねるにつれて殺人鬼に感情移入しがちなジャンルだ。そこには当然一抹の罪悪感も生まれるのだが、本作はその罪悪感を相対化してひっくり返して肯定しているのだ。
レザーフェイスが四〇年間愛され、ポップアイコンとして定着しているからこそ有効な手法であり、これを意識的にやっているホラーシリーズはなかなかない。

ただこの映画、ちょっと全編に渡って気になる点が二つある。
「アレクサンドラ・ダダリオ氏のおっぱいの揺れ具合」と、「序盤で火にかけたお肉は誰か食べたのか」だ。
……という呪いにかかったところで、ホラー映画ファンでなくてもぜひ見て頂きたい。

なお劇場公開時は『飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲』という3D作品であった。だが飛び出すシーンは違和感バリバリの3D演出&CGなので、わざわざ海外版を取り寄せて見るものでもない。
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