“映画の夢、夢幻のような僕らの愛”(ベルナルド・ベルトルッチ監督追悼)
60年代終わり、フランスで起きていた映画的学生運動に青春を捧ぐ若者たちにフォーカスを置いた、映画愛と性愛が交差する青春恋愛ドラマ。
パッケージから推測して、性にだらしない若者達が愛欲に乱れるだけの話なのかなと思いきや、ベースはシネマテーク(映画資料館)を思う若者達の情熱と交錯。
白黒映画時代の映像群の引用が効果的に使われたりして、
ショッキングな性愛シーンにもエロスだけでなくどこか耽美的知的な奥行きを感じる。
そこら辺がおそらくベルトルッチ監督自身の映画への回顧録なのだろうなと思った。
とにかくマイケルピットがセクシーの塊みたいな美しさがあってたじろぐ。
それを誘惑し翻弄するエヴァグリーンの魅力もまたドロドロと溢れ出ていて、
良い感じに周囲をダメにしていく。
国も時代も違うけれど、その時ある頭でいろんな事を語り合い、討論し合う学生時代。
けっきょく知識勉強不足でどの話題も解決には至らず宿題が増えてしまう感じが自分と重ねて懐かしく思えた。
こんなにセックスに満たされてはいなかったけれども笑
今回が初ベルトルッチ作品鑑賞だったけど、ラストエンペラーの壮大で絢爛豪華なイメージとは違って意外と敷居は低く、共感性があって興味深く観れた。
また何か彼の代表作を腰を据えて観ようと思う。合掌。