十一

ヒットマンズ・レクイエムの十一のレビュー・感想・評価

ヒットマンズ・レクイエム(2008年製作の映画)
4.1
スリービルボードでティリオン役が出てきたときには、人気にあやかったのかと思ったが、本作を観て、思い直した。一見すると、乱雑で行き当たりばったりのように思えるが、物語のルールとしての平等性を保とうとしているものらしい。筋は通さねばならない。そこに生まれや育ちの介在する余地はない。人種や役割のステレオタイプへの反逆。先を読ませない脚本とは、つまるところ、そのような社会通念が押し付ける既成観念に揺さぶる手段となる。この監督は、その果ての理想郷にて、役割を超えた人間同士の会話を実現しようとしているのではないか。
十一

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