人気作家・今野佳子の担当になった倉田真理の仕事は、佳子に新作を書かせることだった。
華々しいデビューを飾った佳子だったが、ここ数年新作はおろかエッセイすら書いていない。
彼女はかつて大御所作家・大河内俊作の弟子をしていたが、大河内の突然の失踪により代わりに脚光を浴びるようになった。
そんな佳子の家に通うようになった真理は、ある時、佳子が座る椅子に奇妙な違和感を抱き始め・・・。
江戸川乱歩の同名短編を、新鋭・佐藤圭作監督が現代に翻案して映画化した不条理官能ドラマ。
この作品には明智小五郎は出てきません。
「エロチック」とはなってますが、強烈なものはありません。
小沢真珠さんの下着姿がエロチックくらいでしたね。
なんでR15指定やねん?と思わず関西弁でツッコミたくなるほどのレベル。
エロチックを求める方にはストレスがたまるでしょう。
ストーリーは江戸川乱歩の『人間椅子』とは全く違うものでした。
ただ、これはこれでありだと思います。
『人間椅子』を通して描いた乱歩作品群へのオマージュといったところでしょうか。
しかしながら、いまひとつ面白くありませんでした。
なんともさえない凡作。
エロでもなく、サスペンスでもない。
もちろんホラーでは全然ない。
じゃあ監督は何を撮りたかったのか、乱歩的様式美のようなもの?
でも、それも綺麗過ぎててなんか違う。
お話としては、美人+作家としての能力。
大御所の謎の失踪。謎の執筆者?などなどということになるのだが、エンディングでその辺の仕舞をもう少し出してもらってもよかったのかな。