OASIS

エンダーのゲームのOASISのレビュー・感想・評価

エンダーのゲーム(2013年製作の映画)
2.0
1985年に出版された小説「Ender's Game」の映画化。
「ヒューゴの不思議な発明」のエイサ・バターフィールド主演、ハリソン・フォード、ベン・キングズレー、アビゲイル・ブレスリン他。
監督は「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」のギャヴィン・フッド。

人類滅亡を阻止する為に少年少女が厳しい訓練を受けさせられるという設定は、日本のSF小説や漫画、アニメに多大な影響を与えたらしい。
日本の「逃げちゃだめだ」的な主人公と違って、この映画の主役のエンダー君は初めから随分と強気で、たとえイジメられようとも難なく自分の力で解決してしまう。
いわゆる巻き込まれ系の話ではなく、自分からやってやろうという気満々で、どうにも応援しようという気が起きない。
物語の大半は訓練に費やされて、肝心の巨大な敵の姿がラスト20分ぐらいまで出てこない。
しかも訓練施設と地球の僅かな地域としか行き来が無いので、スケールの大きな話の割には登場人物達の動きが全然無いという事態になっている。
せっかく美人に成長したアビゲイル・ブレスリンが出ているにも関わらず、地球での描写が薄くて勿体無い。
しかも施設での訓練やイジメにも古臭さが漂う。
訓練ばかりしているので「ハンガー・ゲーム」の前半だけを観せられた感覚になってくる。
言うなら「エンダーのハンガーのゲーム」状態である。

そして、衝撃のラストというオチも、あまりにも訓練しかしていないので何と無く読めてしまうという残念さになっている。
残虐ゲームがどんどんと増えてきた現在、「ビデオゲーム世代」と呼ばれる若者達からすれば主人公に共感できるかどうかも微妙。
結局「エンダー」というのがどういうのかもわかりにくかったし、冒頭から既に置いてきぼり感が強かったので、どうせ端折って映像化するなら二部作、三部作に分けた方が良かったのではないかと思いました。

当初はヴォルフガング・ペーターゼンが監督する予定だったそうで、何故彼にならなかったのか残念でなりません。
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