亘

タイピスト!の亘のレビュー・感想・評価

タイピスト!(2012年製作の映画)
3.7
田舎者のローズは街に出て秘書として働くがおっちょこちょいで失敗ばかり。試験採用を終えた彼女は正規雇用の条件として「タイピングコンテスト優勝」という条件を出されタイピングを猛特訓する。雇い主ルイとローズの特訓の日々を描いたスポ根ラブストーリー映画。

恋愛に不器用な雇い主ルイの家に泊まり込み2人で特訓する、というどこか月9ドラマとか恋愛漫画のような設定だし生活の全てをタイピングに注ぐというスポ根ぶり。でも5色ネイルとかピンクのタイプライターとかカラフルだし衣装もおしゃれだし、さすがフランス映画。

初めは両手の人差し指でしか打てなかったローズが強制されて両手でタイプできるようになり最後にはブラインドタッチができるようになる。その成長の過程を見るのも楽しかったけど、ルイの特訓にかける熱量も半端ない。指の位置を覚えるためにネイルをさせたり誕生日プレゼントに手元を隠す台を作る。これは不器用なルイにとっては愛情表現だったんだと思う。

全仏チャンピオンになってからは想定外の展開だった。ローズは一躍有名人になってルイから離れてしまう。それぞれ別の恋人を見つけたようだったし、2人は別々の道を歩むのかなとも感じた。そんな中で迎えた世界大会での再会は「この2人の組み合わせしかない」って気づかされる良いラストだった。

印象に残ったシーン:ローズがポピュレールの宣伝をするシーン。世界大会で優勝者が発表されるシーン。

余談
世界大会でルイが提案したタイプライターの方式は、1961年にIBMが「タイプボール方式」として開発したそうです。
亘