余分なものを削ぎ落として極限状況を描いた良作。
映画を観る前に情報を仕入れないのが僕の基本的スタンスですが、本作についてはそれでも色々と噂を聞いておりました。
「劇場で観るべき」とか、「インターステラーを観る前に観るべき」とか、「まるで遊園地のアトラクション」とか。
うん。全部本当のことでしたね。
でも、自宅で鑑賞していても臨場感は十二分に伝わってきます。座っているクッションを何度も確かめたくなるほどです。「貴方は地に足がついたしっかりとした人柄ですね!」とどの占いでも言われてしまう僕には不向きな映画であります。
ただ、「遊園地のアトラクション」という批判のように本作に物語性というものを求めるのはお門違いなような気がします。というのも、僕は本作品を新世紀のホラー映画だと思うからです。
恐怖の対象が、異形とか悪意とか病原菌とかではなく宇宙空間。地球上では味わうことが出来ない真の孤独。それはどんな怪物よりも怖いものでありました。
あ。でも、ホラー映画によくあるお色気シーンはないかも。いや、サンドラ・ブロック姐さんが宇宙服を脱ぐのが、それに当たるのか(笑)。
何はともあれ、未見の方は濃密な約90分をお楽しみください。