実録物映画には、良くも悪くも真実の壁がネックとなり盛り上がりを左右させる事がありますが、本作のピーター・バーグ監督は、少しクドいほどのアメリカ万歳感をスクリーンに焼き付け、ある意味エンターテイメント作品に昇天させています。
ボストンマラソンの爆弾テロ現場で、臨時に警備をしていたマーク・ウォールバーグ扮する殺人課の刑事を物語の中心に置き、被害者やテロ実行犯に捜査陣などの事件に関わった人々を多面的に配して群像劇調に構成した脚本が巧みです。
ケビン・ベーコンに、痩せた!ジョン・グッドマンや、J・K・シモンズなどの曲者俳優達を捜査側に配置したのがミソで、何とも言えない重量感を滲ませます。序盤の爆発シーン以降の緊迫感が凄まじく、それはクライマックスの結論まで途切れません。
更に親密度を増して来て、今後も続くであろうマーク・ ウォールバーグ主演×ピーター・バーグ監督コンビによる実録作品に目が離せなくなって来ました。