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パトリオット・デイのTSのレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
3.5
【ボストンマラソンで起きた事件】75点
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監督:ピーター・バーグ
製作国:ドラマ・サスペンス
ジャンル:アメリカ
収録時間:133分
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2017年劇場鑑賞49本目。
2013年4月15日に発生したボストンマラソン爆弾テロ事件を描いた作品です。発生からわずか102時間で犯人逮捕に至るという劇的な展開をシリアスに描いています。パトリオットデイとは愛国者の日という意味ですが、この日に毎年ボストンマラソンが行われている模様。何故このような事件が起こってしまったのか。そのあたりに関してはあまりわかりませんが、犯人側の猛攻、ボストン市警やFBIの追走劇が今作の見所となっており、また終盤には当事者のインタビューが収録されているので、よりリアリティが伝わってきます。

ボストン市警殺人課に所属していたトミーはボストンマラソンの警備にあたっていた。ボストンマラソンは順調に開始され、続々と走者が完走していく中、事件は発生するのだが。。

確かにボストン市警、FBIは凄いんですよ。あんなに少ない情報で犯人を特定していきますし、徐々に犯人を追い詰めていくのですから。しかし、映画的にはややもたつく。特に銃撃戦のあたりは、何故二人の犯人に対して大勢で攻めてるのに捕まえきれないのか?と思ってしまいました。しかし、これが現実なのであり、フィクション映画で登場するプロの特攻隊等が如何に常識離れしているのか逆にわからされました。実話を映画化してるものでありますから、そこは仕方ないか。と思いますがあくまで映画としての感想を言うと少し物足りない感じがしました。
ところがどっこい、なんとこれらの銃撃戦のシークエンスは脚色でもなんでもなく、入念な検証の結果、忠実に再現されたものらしくそれに関しては素直に驚嘆しました。なるほど、もたついてるなあという違和感は忠実に再現したが故に発生していたものであり、こればかりは仕方ないかと感じられました。

ということで、もたついてる云々というのはあくまで映画としての感想であり、この事件を軽率に見ているわけではありません。むしろ、この事件が当時のアメリカに与えた衝撃はかなりのものであるため映画化は必然的なものであったと言えましょう。このようなテロがもう二度とないように、、という製作者の思いが読み取れます。また、わずか4年前の事件をさらっと映画化してしまうこの国の行動力にも驚かされます。日本という国は、事件モノに関しては発生から数年以内に映画化などしないというイメージがありますので、少し驚かされてしまいます。

テロの発生から犯人を逮捕するまで忠実に描いたこの作品はアメリカ内でもかなり評価が高い模様。無論、いつかは世に出すべき作品だとは思いますが、あまりにも早すぎたので個人的には違和感を感じてしまったほど。それこそ被害者の家族などは今作をどう受け止めるのでしょうか。最後のインタビューも、類似の形式をとる近年の映画の中でも異例の長さですし、やや押し付けられている感じがしました。ここでも違和感を感じまして、総合的にいうと思っていたよりのれなかった自分がいました。題材自体はもの凄く良いですし、語られるべきものであると思いますが、少し早すぎたのでは?と思ってしまいました。

と、ごちゃごちゃと言いましたが、この事件で命を落とした人もいます。このような悲惨な事故が今後起きないように、、ご冥福をお祈りいたします。
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