冒頭からテンポよく最後まで駆け抜けるような疾走感溢れるストーリー展開。マジックの観客になって騙される心地よさを味わえる。
フォー・ホースメンのメンバー構成のバランスが良いのと、FBIとの攻防にハラハラしながらも深刻になりすぎないよう調整されているような程よい緊張感を楽しめる。
メンバーのうち、ジェシー・アイゼンバーグ演じる早口なダニエルとアイラ・フィッシャー演じるヘンリーの会話に時折見える絶妙な関係がスパイスになっていて紅一点が嫌味にならず、メンバー同士の軽妙なやり取りにユーモアがあるところも楽しく、個性的ながらもサバサバしたプロマジシャン集団のパフォーマンスが鮮やかで見ごたえがある。
インターポールのアルマの存在が中途半端で、マーク・ラファロ演じるディランとの関係は、あってもなくてもって感じ。思わせぶりが少しイラつくのでむしろなくても良かったかも。
謎の組織「アイ」が、このメンバーを振り回すほど、どれだけ凄いのかという説得力に欠けているのと、メリーゴーラウンドでワーっていうのがちょっと乗り切れない感じがして拍子抜けではある。あれほどのメンバー達が、なんでそんなにハイテンション?とオマヌケな感じがしてしまうし、少し間延びした演出もそういう感想を強める要因かも。