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ホステル3の消費者のレビュー・感想・評価

ホステル3(2011年製作の映画)
4.3
・あらすじ
ウクライナからやって来たカップルの泊まる一室を訪れた1人の男
一見怯えている様な彼だったが全ては芝居であり、2人は眠剤入りのビールで眠らされ拉致されてしまう
一方その頃、結婚を来週に控えた男性、スコットは友人のカーターと旅行に向かっていた
婚約者のエイミーにはパームスプリングスに行くと話していたがカーターの用意した本当の行き先はラスベガス
そこで他の友人、ジャスティンとマイクとも落ち合いカジノに興じ酒を飲み交わす一行
更にスコットにはもう1つのサプライズが用意されていた
ストリッパー達を伴ったパーティーである
そして彼は友人達の手配したエスコートの女性、ケンドラに個室へと誘われるが過去の浮気で捨てられかけた事もありきっぱりと断る
その後、飲まされた大量の酒で気分が悪くなり、スコットは1人クラブから出て嘔吐して気絶
目覚めるとホテルに帰してもらっていたが、そこにはマイクの姿が無い
もう1人のエスコート、ニッキーとどこかにいるだろうと一同は考えていたが真実は違った
彼は何者かに拉致され、拷問を受けていたのだ…
やがてその血で血を洗う恐怖は他の面々やエスコートの2人にも及んでいき…
というスラッシャー作品シリーズ「ホステル」の3作目にして最終作

・感想
導入からして一見被害者となりそうな男が逆にカップルを拉致して賭け殺人を行う組織、エリート・ハンティング・クラブへと送り込むという裏切りの展開に驚いた
何より嬉しかったのはそれが最初の1つでは終わらなかった事
組織側の人間かと思われたエスコートの女性達の片割れ、ニッキーも被害者でケンドラも事情は知らなかった
マイクや後に殺されたジャスティンなどは本来の標的ではなく、狙われていたのはスコットでそれも仕掛けたのは彼の妻であるエイミーに固執していた友人のカーターだった
この2つには驚かされたし、前作までの決まり切った展開に捻りが加わっていたのでシリーズ中で一番楽しめたかもしれない

ゴア描写も1作目の日本人女性の眼球露出ほどではないにせよ、今作もやっぱり容赦なくて素晴らしい
好きだったのはマイクの顔の皮が剥がされてしまうシーンだけどジャスティンをクロスボウで殺害した女性会員の着けていた仮面のビジュアルなんかも好きだった
殺人が賭けの対象とされていたのも良い

加えてゴア描写だけではなく今作には不快描写もあった
拘束されたニッキーの体にゴキブリがぶち撒けられ、挙句に群れが口の中へと入っていくという…
欧米の品種だったからまだ見た目や動きがそこまでキツくなくて観てられたけどアレが日本と同じ品種だったら…と思うとゾワゾワする…w

そうして過激な描写がひたすら続いてクライマックスを迎えた後のエンディングでも裏切りの展開があったのも抜け目ない
スコットの警察への通報で施設が爆発させられ、彼は爆風に呑まれてカーターは脱走した末にエイミーを寝取ろうとするもスコットは生還していて2人に返り討ちにされるという…
本シリーズは考えてみれば毎回、主人公は手段こそ違ってもそれぞれ生還している事を考えれば予想出来た展開かもしれないけど、何といっても相次ぐ裏切りの展開が既にあった後なので意外性があり良い終わり方だった
その上、スコットがカーターを殺すのに使う武器のチョイスも芝刈り機という…
「ブレインデッド」を思い出させる良い殺害方法だったと思う
唯一惜しかったのは散々ゴア描写を生々しく映した後だったのにそこでは返り血しか映されなかった事かな…
どうせなら最後まで血みどろで突っ走って欲しかった

それさえ除けば満足度はかなり高い作品だった
ゴア描写が強いスラッシャー作品はストーリーを放り出す事も少なくない中で話も映像も共に最後までしっかりしていたので大満足
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