とり

昼顔のとりのレビュー・感想・評価

昼顔(1967年製作の映画)
4.0
たまに行く名画座でカトリーヌ・ドヌーブ特集をしていた時に鑑賞。
メロドラマ系の映画はあまり観ないんですが、おフランスものは例外的にけっこう面白く感じることもあります。
フランスの日常を描いているにも関わらず全てが別世界の出来事のように感じるからだと思います。
そしてドヌーヴが出てるとなればあの可憐なお顔を堪能する為だけにスクリーンで観る価値大有りでしょう!
この日は1日2本のハシゴ。この後テキサスチェーンソービギニング。
ちなみにドヌーブは3人、チェーンソー4人という、土曜とは思えない集客でした。もちろん私を含めた人数…。
昼顔は初鑑賞。大体のストーリーは知ってたけど、こりゃ~一回観ただけじゃよくわからんね。
医者の妻ドヌーヴの妄想と現実の境い目がまるでごっちゃになっていて、吸い込まれるように観入りました。万華鏡のような印象を受けたかな。
テーマっていうかドヌーヴの行動や考え方は理解できなくはないけど、さくーっと観ただけでは深い部分まで考えをめぐらせることができなかった。
これは監督の意図を汲み取る作業をすると面白い映画なんだろうな。細かい演出とか凝ってるし。観終わった後もう一回最初から見直したくなりました。
医者の夫に隠れて昼間のみ体を売るという役柄で、あくまでも上品で清楚。これがもう輝くほどの美しさ。他の仲間の女性もそれなりに美人だったけど格の違いがありありと。
そして見た目は女神のように人間離れした神々しさなんだけど、生き方は非常に人間臭いというか生々しい。
彼女の心の葛藤が夢・妄想として表現されてるんだと思うけど、けっこう痛々しい。妄想に逃げるしかなかった苦しみとか、ある日を境に夢を見なくなったこととか、物凄く孤独を感じる。
可憐で美しいドヌーブの痛々しい姿を見る楽しみ方もあるかな。
もっともっと退屈な映画かと思ってたけど、映像の美しさも含め想像以上に良い映画でした。
北千住シネマブルースタジオ
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