ひろゆき

かしこい狗は、吠えずに笑うのひろゆきのレビュー・感想・評価

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銀幕短評(#405)

「かしこい狗は、吠えずに笑う」
2013年、日本。1時間34分。

総合評価 マイナス23点。

先生、Filmarks平均スコアが 3.6点となっていますが、きっとミスプリだと思います。

タイトルが韓国の名作「ほえる犬は噛まない」(#387、74点)からのパクりを連想させる。

ふつうこの手の映画は残念映画として ひと絡げで一蹴するところですが、今回はそんなことで引き下がるのも悔しいので 1時間半かけたついでに感想をひねり出しましょう。

本邦憲法21条は 表現の自由を保障していますが、この映画はその権利を濫用しています。公共のメディアに乗せるべきではない。映倫は R90+くらいのレートで規制 対処すべきでした。

映画は(音楽や絵画とは異なり)総合芸術なので、その出来ふできは種々の因子が混じり合って評価されますが、この映画は脚本、演者、芝居、演出、撮影、編集、衣装、道具、照明、音楽など、どれを取っても見るべきところがなかった。あああ なかった。とくに脚本と音楽がひどかった。ちょっとうまい大学の映研にある程度の予算をあげると、ずっといい映画を撮るだろう。

この映画を見始めるとわたしは最初 おもしろそうだと期待した。主役の高校生の女の子ミサがちっともかわいくないから。彼女の友人として現れるイズミはそれなりにかわいいと衆目が一致するとは思うが、芝居のレベルが 役者検定 8級くらいで 先々の不安感をあおる。

スローペースの前半はよい。むずかしい芝居を求めないから。後半のすこし混み入ったパートに移るとイズミの芝居(それがミサより多いのはどういうことだろう?)は検定 8級の馬脚を現し、ものがたりは破綻した。

通しで最後まで観て、製作者の意図はなにかと ひとしきり考える。エピローグの演出からすると たぶんうがった見方をしないといけないのかもしれないが、めんどうくさがりのわたしは 無論そんなことはしない。

「ROMA/ローマ」(#385、100点)あたりからずっと 見ごたえのある映画に恵まれてきたけれど、そのツケをはらうときがきた。人生こういうことで満ちあふれているのだから悲観してはいけない。山もあれば谷もある。こういうときのわたしの決まり文句はこうです、「低くしゃがんで、高く跳ぼう」。あと、ミスプリには注意しよう!
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