次郎

スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団の次郎のレビュー・感想・評価

4.2
内容のアホ具合に対して原題「Scott Pilgrim vs. the World」の無駄なスケール感。女子高生と付き合いつつ二股をかけるスコット君の共感具合はゼロを通り越してマイナスのはずなのに、エドガー・ライトの演出と編集だけで十二分に楽しめちゃうんだからズルい。カットの繋ぎやテンポ感は本当に最高で、やっぱり世界一好きな監督だなと再認識。
冒頭のゼルダの伝説(SFC)のBGMからだけでなく、スト2や元カレとの戦いもゲーム的リアリティに侵食されていく演出。用いられる音楽もT.REXやBECKといった大御所だけでなく、Black lipsやThe Bluetonesといった「悪ガキ」感あるアーティストが用いられているのにセンスを感じる。

鑑賞後に色々調べてて知ったけど原作のマンガは相原コージと竹熊健太郎による漫画『サルでも描けるまんが教室』(サルまん)を参考にしていたり、音楽監督がRadioheadのプロデュースて有名なナイジェル・ゴドリッチだりと想像以上に自分のツボを突いてくる作品だった。劇中のバンド名「SEX BOB-OMB(SEXボム兵!)」の最悪具合よ。
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