開明獣

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマンの開明獣のレビュー・感想・評価

5.0
開明獣、巨匠に挑戦の巻😌今回は、ベルギー出身の女流映像作家、シャンタル・アケルマン❤️

まず、国家機密級の極秘情報から😳

・名をシャンタル・アルケマンだと思ってた
・男の人だと思ってた
・フランスの人だと思ってた

ばらしたら、鼻の穴に青唐辛子入れるからね😡

これはやられたわ!何故に3時間以上もあるのに、みなさん高評価なのか観て初めて分かる仕組みに脱帽🎩

夫を6年前に亡くした寡婦のジャンヌは、高校生(?中学生かな?)の一人息子、シルヴァンと小さなアパルトメントで二人暮らし。息子の部屋はなく、リビングのソファベッドで寝起きしている。冷蔵庫もテレビもない。調度品も高級そうなものはあまりなく、電気をこまめに消し、食事も簡素なもので、つましい生活をしている。

息子の靴をこまめに磨き、珈琲を豆から挽いて淹れて、溜まった金は息子の将来のためであろうか、こまめに銀行に預けている。兎に角、毎日規則正しい几帳面な生活を送っており、その3日間を追ったのが本作。

一つのシーンに対して延々と続く長回し。3日間の推移は必ずしも同じではなく、観てるものが、徐々に何かを想起させる仕掛けになっている。この長回しを無意味で不要として、切り取ってしまうと、本作は途端に駄作と堕してしまうだろう。鑑賞者に演者が演じている登場人物と同じストレスを体験させていき、観終わった後に、この尺の意味が初めて分かるようになっている。

これは映像表現として、最初にやられてしまったら、あとはどんなに真似しても2流の後追いにしかならないような斬新かつ革命的なもの。このやり方を思いついたアケルマンの独創性に驚くばかり!

思わず珍しくリーフレットを購入。とても良い出来だったのだが、残念なのは執筆者が全員女性だったこと。フェミニズム作品としてだけ取り上げるのは、あまりにも勿体無い。現代人全てが抱えるストレスに対する問題提起として今の時代に読み解くことが出来る普遍性を持った傑作だけに、性別超えた意見を載せて欲しかった。

本作鑑賞のために初めて目黒シネマというミニシアターに潜入。勿論、目黒蓮くんはいないし、秋刀魚も出てこないが、観やすいし、暖かな雰囲気の居心地の良い劇場で大満足。屋根裏か、地下室に引っ越したくなるくらいだった😌

Special thanks to benno-san
開明獣

開明獣