YAZ

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマンのYAZのレビュー・感想・評価

5.0
シャンタル・アケルマン観る

彼女の代表作とされ傑作と噂
されるのようやくです
ティーンエイジャーの息子と
2人暮らしのジャンヌ。
何一つの隙も乱れもない規則
正しい完璧な生活繰り返す
彼女だがある日。。。の話

面白い
かなり面白かった
こういう映画あまり観たことないかも

彼女の日常を撮り続ける映画らしいし
200分だしどんな映画か想像付かないけ
ど今まで観た彼女作のドキュメントが皆
良かったので多分イケルかなでしたが想
像遥かに超えてました

彼女の生活は規則正しいリズムで繰り返
される。ほぼ家事ですがジャンヌのキビ
キビした動きが生み出すリズムがとても
心地良く。そのリズムが作る一つの世界
に身を置いてる感じが退屈どころかとて
も気持ち良い

このリズムは劇中の彼女の生活のリズム
であるのと同時に映画のリズムでもある
のでリズムの映画と勝手に思う。
「パターソン」が自分の中ではやや似て
るかもしれない

リズムで言うと室内の電気を点けたり消
したりが異常に多くその度に画面が暗く
なり劇中の動作が映画のリズムを作って
るかな~と

そんな延々続くリズムが一つの家事のミ
スで様々な彼女にすれば不快な事が続々
と起こり不規則なリズムに変ってゆく。
面白いな~と思ったのはリズムが狂って
彼女が不快になると観てるこちらも何だ
か居心地が悪くなる。
単調とは言え延々と見せられるリズムに
どっぷり浸かってしまったようです

日常が壊れてゆくのと同時にジャンヌも
壊れてゆく訳ですが、彼女の幸福とは言
えない亡き夫との結婚生活からの抑圧を
同じリズムに閉じ込めていたのではと思
える。ルーティーンの中に入るとある意
味では人間性が消えるのは男女も年齢も
関係なく人ってそういうものではないで
すかね

毎日一人の売春行為もリズムの一つで
この行為が彼女にとってどういう意味を
持っていたのかな~と考えさせられる
結末であります

傑作です
YAZ

YAZ