しちれゆ

水のないプールのしちれゆのレビュー・感想・評価

水のないプール(1982年製作の映画)
3.0
【映画監督 若松孝二】特集の1本
なんとまあえげつない昭和という時代。
自動改札のない時代、地下鉄の切符切りの内田裕也が 冴えない自分・出口のない現状に鬱屈した思いを抱え次々と女性の家に侵入しレイプする話。1982年はバブルの数年前、とっくに文明国の仲間入りを果たしていたはずであるが、今見ると街も家屋も貧相で子供は家ではパンツ一丁で女性は軒並み大根足。むっつりスケベな内田裕也の行状はロッケンローなのであろうか?″水のないプール″の意味するものが主人公の空虚な心象風景だというのは分かるのだが、この映画がまかり通った時代の民度とは。シャボン玉で遊ぶ女性にも可愛さより幼児性を感じる。
私が本作を見たミニシアターの観客は爺ちゃんだらけ。警官(多分 赤塚不二夫)が「モスモス」(もしもし)と言うと \\\ドッ/// 若きタモリが出てくると \\\ドッ/// 裕也が「ジンジャーエールはジュースじゃねえぞ」と言うと \\\ドッ/// 若松作品と共に生きてきた方々でしょうか。
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