内田裕也さんは『コミック雑誌なんないらない！』に引き続き、なんともつかめない男を好演。

リドリー・スコットは裕也さんを実にクレージーな男だと言っていたのを思い出す。

クレージー。
この言葉が一番よく似合う人間だ。

実際にあった事件を脚色。
なんとも不気味な事件である。

若松孝二監督を井浦新が熱演する『青春ジャック止められるか、俺たちを2』で、代表作として出てくるので観賞。
この翌年、名古屋にシネマスコーレを開館したということは、この頃はかなり儲かってたってことかな。
作品は実話ベースの性犯罪者もので、当時としてはセンセーショナルだったと思う。国民的アイドルだったミーちゃん出るし、チョイ役に赤塚不二夫とタモリ。このキャストでこの変態映画を実現させたのが監督の手腕か。
肝心のプールは妄想？　そこイマイチ分からなかった。

シュキナベイビナァ②

若松孝二おなじみの「犯罪者にも五分の魂」なれど、もう中盤の内田裕也の目線が怖くてヘンタイでたまらないの。

①風呂あがりの自分の娘の裸をこれ以上ないくらい凝視する内田裕也。
②人形のスカートをまくり、股間の部分をなでる内田裕也。
③蛙をクロロホルムで寝かせ、その股間をキリでつつく内田裕也。

もうこの三連コンボで僕はグロッキーです。後半のレイプシーンなんかどうでもいいよって思ってしまう。それくらい

き・も・ち・わ・る・い

もう体中鳥肌ですよ。観ている人はどう感じるんだろう。この映画はあのシーンが全てだったんじゃないかと妄想まで思わせる。

後半は実際のレイプになるんだけど、なんのコントを見せられているんだろうと不可思議な気持ちになり、眠らされた裸の女性との記念撮影ではもはや飲んでいたコーヒーを吐き出すかと思ったぜ。ブホォ。手叩いて笑ってしまった。

今の感覚で観てはいけないんだろうけど（性犯罪、ダメ絶対）歯車が少しずつ壊れていくのは面白い。冷静に「僕はならない」って相変わらずこの手の映画を見ると言えないなぁ。でもそれを「やるか/やらないか」は大きく違うけどね。

ただ男目線で作っている映画でもあるんでどうも最後はファンタジー（若松孝二だし仕方ないか）。あんなんされて擁護する人いるかい。ただ気持ち悪いだけだよ。でも男っているよね、散々ひどいことしておいて気にいられたいから少しだけいいことする男（「いいこと」だと本人だけが思ってる）。それって腐れ男のあるあるですよ。女性に無理やり酒飲ませてそのままやって「もうこんな男と一緒に酒飲むなよ」と言うやつとか、風俗行ってやって挙句「君の本当の気持ちが知りたいんだ」と言うやつとか、散々パワハラで怒鳴り散らして「お前のためを思っているんだ」とゆっくり話す初老とか。

全員タヒね。

ほんとそう思ってます。