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性と愛のコリーダ
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『性と愛のコリーダ』に投稿された感想・評価

自殺未遂を図った女性(小川亜佐美)を匿うことになった2人組の青年が、肉体関係を共有した無軌道な性生活を始める。異なるドラマが同時進行するスタイルを採用している、日活ロマンポルノ。

「青春ドラマ(鹿水晶子脚本)、サスペンス(田中陽造脚本)、コメディ(小沼勝脚本)」が、交わることなく同時進行する。主演は、自殺願望をもつ女(小川亜佐美)、拉致監禁された女(八城夏子)、風来坊の男(坂本長利)という面々。

とりわけ、坂本長利演じるトリックスターのパートが抱腹絶倒。本人役で登場する片桐夕子、谷ナオミとの絡みがメタ的演出で展開される。またドラマ面では「ウーマンリブ運動」「正常性と異常性の相互関係」などの、テーマ性を推量することができる。

当時の日活としては失敗作の扱いになっているようだが、「時代が早すぎた」とも捉えられる。今現在の感性では十分すぎるほど面白い。言わば突然変異体のようなロマンポルノ。
3つの話が同時進行して無駄に女優陣が豪華。なんか色々やりたいのがわかるが長いなぁ。
タイトルからは全く想いもつかない、小沼勝監督の超怪作ロマンポルノ。
劇中の小川亜佐美の台詞「貴方も一回死んでみれば?」が示すように「性」を描からざるを得ないロマンポルノは、反射として「死」を映すのだ、という事を念頭に、ロマンポルノ自体をメタ・フィクションにしてみせた様な仕上り。

小川演じる自殺願望のOL、八城夏子の上司と不倫しているOL。
今では放送禁止となった「OL」女性が性と消費を謳歌し始めた時代に、ロマンポルノはどうあるべきなのか。小沼は自分達がやってきた事例を反芻(神代作品のパロが多いのは「ロマンポルノ的」であるからか)しつつ、次の地平を探していいく。

それにしても、小沼監督は片桐夕子の使い方が毎回酷い(奥様だったのに)。今回も「学生妻 しのび泣き」の曲の中で坂本長利に縛らせて放置プレイ。
谷ナオミが爆笑のSの女王様でゲスト出演。鶴岡修は自身の代表作のセルフパロディ(笑)。なんなんだこの映画。最高。
ロマンポルノのエポックとなった「恋人たちは濡れた」の構図と「OL日記 牝猫の情事」の逆転した構図を、田中陽造と鹿水晶子がブレンドしてホンを書いたと推察する。トリックスター坂本長利は"ロマンポルノそのもの"’(だから警察に常に追われている)。
これらバラバラの要素が、最期にまとまるから凄い。

『性と愛のコリーダ』に似ている作品

牝猫たちの夜

製作国:

上映時間:

68分
3.5

あらすじ

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