この邦題に変えるべきではなかったと強く思う作品。原題の「The Third Star」には、深い意味があるから。
主人公達が旅する途中で、「そこには（目的地には）どうやって行くんだ？」「簡単だ、夜明けの方向へずっと真っ直ぐ行って3番目(the third star)の星を右に曲がるんだよ」「違うよ。2番目だよ」「ああそうか、だからいつも迷ってばかりいるんだ」という会話がある。
これはピーターパンがネバーランドへみんなを連れて行く時のセリフ「夜明けの方向へずっと真っ直ぐ行って2番目の星を右に曲がるんだ」が元になっている。
この映画において「3番目の星」は、目的地に向おうとしているが、目的地を見失い、迷っている主人公と友人達を表している大事なキーワード。また、ピーターパンの中では、大人にならない子供達が集まるのがネバーランドだが、この映画においては、30歳の若者達が、未だ大人になり切れず、迷っている姿も表現している。
そして、最後に、末期ガンの主人公と友人達が到達した目的地、その選択には深く心が揺さぶられる。
