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リンカーン/秘密の書のPANDADAのレビュー・感想・評価

リンカーン/秘密の書(2012年製作の映画)
2.0
セス・グレアム=スミス原作、ティム・バートン製作の作品。

若き日のリンカーンは母の仇を取るために斧をぶん回すヴァンパイア・ハンターになり、そしてすべての奴隷を解放するために、南部連合国やヴァンパイア達と戦うお話。

何言ってるかわかりませんね。
でも本当にそんなお話です(笑)。
「こんなリンカーン、みたことない!」って感じです。

ヴァンパイア達と戦うシーンは凄いですね。
何せ主武器が斧ですから(笑)。
両手でブンブン振り回して、吸血鬼どもをザクザク斬り刻んでいきます。
なんかもうリンカーンのイメージが崩壊します。
それでもまだ「若い頃」は良いのですが、クライマックスでは我々のよく知るあのリンカーンの肖像画のままのビジュアルで斧ブンブンですから、ものすごい違和感です。
なんで、あえて「斧」を選んだ(笑)?

そして、南部(連合国)はヴァンパイアと手を結ぶ悪の権化のような描かれ方をしてますね。

実際の所、南北戦争の発火点は貿易政策違い(北部:保護貿易vs南部:自由貿易)が一番アツくて、当のリンカーン本人も「もし廃止無しで戦争に勝てるなら奴隷制廃止なんてしなかった」とまで発言しているし、戦争終結後、南部の奴隷はすべて解放されたのに、北部の一部地域では残されていたくらい。

それなのにヒドい描かれ方をしてますね。。
まさに「勝てば官軍」というヤツですか。

トンデモナイ作品なのですが、クライマックスの列車のシーンとか歴史的なゲティスバーグの演説シーンとかはかなり観応えあるのも確かですので、未観の方は一度ご覧になるのも一興と存じます。
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