このレビューはネタバレを含みます
レンタルにて鑑賞。
一応、原作漫画については思いっきり直撃世代のはずなんだけど、通して読んだことは無い。とはいえ、大体の設定などは知っている、といった状態で鑑賞。
結論から言うと、かなり面白かった。
やっぱりこういった映画は殺陣がどれだけうまく出来ているかだと思うんですが、まず、これがよく出来ているうえに、戦闘シーンが多いのも魅力だった。
基本的に、登場人物を実写化するとどうしても漫画に引っ張られてしまうのだけれども、これがリアリティラインを下げているがゆえに、殺陣が本格的だとその比較効果でものすごい迫力が感じられるんですね。この感じが日本映画の大作を見ているなあという気分にさせられる。
剣心が持つ逆刃刀とは、彼自身の切らない(=暴力の否定)という誓いを象徴するものであると同時に、彼自身がその裏側にはやはりある種の暴力性を持っているということを如実に示している。
剣心が原作に置いて比較的女性風に描かれること(アニメでも声優は女性だった)も、そういった意図があってのこと。
それらはすべて原作にもあるのだけれども、それを佐藤健が演じ、また逆刃刀というアイテムを映すことにより説得力を込めている。
その逆刃刀が一度折れ、真剣を受け取っても抜かず、そして亡き刃匠の刀を受け取り意を決して刀を抜く。それは彼が自身の暴力性に向き合った瞬間であり、結果的に抜いた刀は逆刃刀だったものの、一度暴力が流れ込んで来たら元には戻れない。そういった、主人公がダークサイドに落ちる部分を描くというシリーズものの2作目として十分に面白い展開。
評判はあまりよくないが、続編の「伝説の最期編」も見ざるを得なくなった。