ワイヤーアクションカッコ悪いでござるよ
レビューしてない間も数十本映画観ているんですが、なかなか書く時間に回せずモヤモヤする日々を送っていますゲレです。
そんな中、久しぶりにレビューしたいのがこちらの作品!
『るろうに剣心 京都大火編』
今から15年以上前に週刊少年ジャンプに掲載されていた時代劇漫画が原作となっている大ヒット映画。
豪華役者陣によるキャラクターの再現度や息を飲むほどの迫力を誇る殺陣、圧倒的映像美や音楽といった基礎力と言うべき部分は素晴らしいの一言。
一見すると世界に誇れるレベルに見えるし、漫画原作映画の中ではトップクラスだろう。
だが本作、肝心の中身と言える部分が残念で仕方ない!とにかくツッコミどころが多い!!
というわけで改めてレビューさせて頂きます。
まずアクションシーン!
殺陣は先ほど述べたように圧巻の出来映えなのだが、問題はワイヤーアクション。
いやもうね。ひたすらカッコ悪い。
チープだとか急に人間らしい動きじゃなくなるとか色々言いたいことあるけど、全部含めてカッコ悪いに尽きる。
とにかくカッコ良いを追求して描いてる作品だけあって、一番の見所である戦闘シーンが萎えるのは本当に残念。
次に目についたのは、本作で最も問題となる展開の早さ。そしてそこから生じるキャラの気持ちの変化の早さである。
これに関しては中盤以降常に気になってしまうのだが、特に気になったのは、村人を虐殺され恩人を殺されとにかく怒りを胸に意気揚々と乗り込んだ剣心がラスボスの元で神木隆之介演じる下っぱの宗次郎に刀折られてにも関わらずまるで意に介さないシーン。
その直後剣心にコメディシーンをやらせるのも論外だが、逆に剣心壊れちゃったって伝えたいのかな?と深読みしたくなりました。原作未読者おいてけぼり必至。
で、個人的に最も違和感を感じたのが、佐藤健演じる緋村剣心の常に一人言セリフとござる口調が変に浮いてるという点である。
ワイヤーアクションでも似たようなことを書いたが、他の部分がスタイリッシュでカッコ良い反面、いつでもどこでも一人だけ「ござるござる」言ってる剣心が浮いてる。それどころか若干痛い子にすら見えたのだ。
いやそんなはずない!僕の剣心はいつだってカッコいいんだ!と自分に言い聞かせ観ていたが、劇中のシリアスシーンで敵からござる口調にツッコミを入れられてしまう始末。
どうやら痛い子で正解だったようである。
ツッコミされようが仲間に危機が及ぼうがござるござる言い続けるところはさすが人斬り抜刀歳。
そしてそれよりも相手の役者にセリフをぶつけない剣心。ただただ一人言に聞こえる。会話になってないな~と普通に佐藤健にガッカリしました。
そんなわけで、日本にしか描けない素材をここまでの完成度にしたことは本当にスゴいが、中身をもっとしっかりしてほしい惜しい作品だった。
明治時代より現代のアキバとかのが剣心馴染むと思うでござる