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ラストベガスのroofbalconyのレビュー・感想・評価

ラストベガス(2013年製作の映画)
4.5
デ・ニーロがやもめになった途端暴走する「ダーティ・グランパ」を先に観たせいでちょいと不安だったがこちらは誠実な着地でよかった。
4人のアイドル、ソフィーが長じてからの姿は写真の中に小さくしか見られないが、ダイアナと雰囲気が似ていたのかもしれない。ダイアナに4人が惹きつけられていく様子がそんな想像をさせる。なのにやたらダイアナの口が悪いのが面白い。性格はまともなのに。
ソフィーを巡る過去のいきさつがパディに露呈する件で、そんな単純な事で生涯連れ添えるわけないと思ったが、それが後続シーンでしっかりパディの口から語られ仕返しまでするのがよかった。婚約者がいい娘そうだしちょっと可哀想とは思うが、、相手がM・ダグラスだし。
ビリーの2つのプロポーズ・シーンの対比も面白い。前者は孤独な死への恐れから場違いで性急。後者は婉曲に捻った挙句、目も合わせられない。どちらが本当のプロポーズか。

* * *

吹き替え版も良好。会話の妙味がよく表現されている。
2015年に他界した小川真司はこれが最後のM・ダグラス吹き替えになったようだ。本人の声より好きだった。デ・ニーロも多くあてているし個人的には「ミレニアム」のランス・ヘンリクセン役が一番印象深い。
デ・ニーロの吹き替えはハマリ役がいない。それだけ映画によって役の印象が大きく変わるからだろう。しかし「マイ・インターン」と「ダーティ・グランパ」は真逆の役柄だがどちらも野島昭生があてていたりする。前に観た吹き替えの印象を引き摺っているとおや、と思うが、羽佐間道夫は近作だと「世界にひとつのプレイブック」があったりして、本作ではやもめ暮らしでちょっと偏屈になってる感じがしっくり来てる。

監督は「クール・ランニング」や「フェノミナン」のジョン・タートルトーブだが、この後が「MEG ザ・モンスター」って。

舞台:ネバダ州ラスベガス
各々の現住所:パディ:NY市ブルックリン区(全員の出身地)、サム:フロリダ州ネイプルズ、アーチー:ニュージャージー州イングルウッド、ビリー:カリフォルニア州マリブ
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