everglaz0

青天の霹靂のeverglaz0のネタバレレビュー・内容・結末

青天の霹靂(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

【父親のグランドイルージョン】

小学生の頃クラスの注目を集めたことが嬉しくてマジシャンとなり、細々とマジックバーで働いている晴夫。売れっ子の後輩に嫉妬するも、自らを売り込もうというやる気はないようで。パッとしない自分の人生は、親と育ちのせいにして何となく折り合いを付けていた時、高校卒業以来会っていない父親の訃報が届く。

セールの値札が貼られたのを見計らい、カゴに入れる時までカッコつけているのには驚きましたが、低収入であることがコンプレックスなのでしょう。

何事も諦めた方が楽だから、弱い人ほど諦める理由を探してしまう。
諦めちゃダメだ、諦めなければ必ず…という言葉は、結果を出した人だけが格好つく台詞なわけで…。

父親の写真に向ける晴夫の嘆きは、ほとんどの人の心に一度は浮かんだことがあるのではないかと。何のために生きているのか、何で生まれてしまったのか、答えも出ないし解決にもならない悩みで自己憐憫に浸る姿はかつての自分を見ているようでしたが、父親がホームレスとなっていたことにショックを受けない様子は少し疑問に感じました。

「頑張って本物のフリしてる」人達の中で、自身を本物だと勘違いしている人にはあまり共感できないなと思ったのですが、
「自分なりに精一杯咲こうとして」いる人が「きれい」だというのはその通りだと思います。

結局この不思議な現象が一体何だったのかと考えると、実際両親の芸人仲間に突然消えたぺぺという男が居たのかも知れないし、轟家の先祖が稲妻を使って晴夫に喝を入れたのかも分かりません(・_・?)。しかしこれは、姿の見えない母親を恨むくらいなら俺を憎めという父親の壮大なトリックで、ホームレス仲間?の死を前に、そろそろ種明かしの時期だと悟って仕掛けた一世一代の大舞台だったのだと自分は捉えたいです。愛しい妻が残した一人息子を育てるために、マジシャン芸人の夢を諦め、面子も気にせずラブホテルの清掃を続けて来た父親の不器用だけれど深い愛情が余韻をもたらします。

晴夫が落とした物を拾う時に見つけたのは、
父が大切にしていた親子の写真と
母が我が子を想って書いた絵馬。

マジックは随分特訓されたのでしょうね。大泉洋さんは喋った方が良さが出ると思うので、彼の魅力が存分に活かせれていないのは残念でしたが、ぺぺとチンの舞台シーンはさすが面白かったです。
0件

    いいね!したユーザー

    everglaz0

    everglaz0

    まだ引越し中(´-`) 鑑賞→投稿→皆様のレビューを読んで→♡ (レビューをお書きになられている方をフォロバしております。よろしくお願いします(◞‿◟)) +++ 他サイトに掲載していたので…

    まだ引越し中(´-`) 鑑賞→投稿→皆様のレビューを読んで→♡ (レビューをお書きになられている方をフォロバしております。よろしくお願いします(◞‿◟)) +++ 他サイトに掲載していたので、古いレビューは無駄にタイトルが付いています。時事的な内容も鑑賞当時のことです。 原題と邦題、海外人物の呼び名は時に紛らわしく自分が混乱するので、レビュー内で扱う際は原題と英字表記にできるだけ統一しています。 史実が気になった作品については、鑑賞前後に主に海外記事を読んだ上で、向学のために内容をまとめることがあります。また、気に入った台詞を備忘録として引用しております。パンフレットは買わないので読んでいません。字幕派です。 +++ ◉ 医師の映画療法 ・精神衛生向上 ・疲労回復には効果なし(自験例) ○ 気分で変わる診断基準 ⭐︎5 大満足 ⭐︎4.5 素晴らしい ⭐︎4 良い ⭐︎3.5 観て損はないだろう ⭐︎3 賛否両論 ⭐︎2.5 惜しい ⭐︎2以下 もう一つ (劇場鑑賞は0.5ほど高くなる傾向) ○ 引用 点3つ ... : 無言, 沈黙, pause 点5つ ..... : 自己判断で省略 (鑑賞日≒記載日)