エイデン

渇き。のエイデンのレビュー・感想・評価

渇き。(2013年製作の映画)
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元刑事の藤島昭和は、安アパートでうだつの上がらない日々を送っていた
元々 キレやすく不安定だったこともあり、それが原因で起こした事件で離婚、精神病も患い抗精神薬が手放せないほど
ある日 藤島はコンビニで3名が刺殺された事件の重要参考人として、元部下の刑事 浅井にマークされる
更に藤島は、元妻 桐子から突然連絡を受ける
高校3年生になる娘 加奈子が、行方不明になったというのだ
2人が住むマンションにやって来た藤島は、加奈子の部屋で本人のものと思しき覚醒剤を発見する
驚いた桐子が警察に連絡しようとするのを止めた藤島は、家族を取り戻すため加奈子を探し出すことを誓うが、調査を行ううち、品行方正で通っていた加奈子の隠された素顔が明らかになっていく

エキセントリックな雰囲気と鮮烈なバイオレンス描写で魅せるサスペンス映画

ラリってるとしか思えない映像とノワール的な人間の闇が爆発することで凶悪に面白い

シッチェス・カタロニア映画祭で評価を受けたダークサイドに堕ちた役所広司や、稀代のファム・ファタールを妖艶に演じた当時新人の小松菜奈など、人間の黒い部分の底に溜まった泥を掻き集めたような醜悪すぎるキャラクターも魅力的

R15指定だったり、ストーリーが大概アレだったり、どう考えても闇属性の映画なのに、公開時学生割引キャンペーンやってたんだぜ・・・
当時 自分もそれで観に行ったけど、情操教育が過ぎる

作風自体は夢野久作の『少女地獄』とか思い出すような、延々と映画に誑かされてる感覚が続く
観るだけでウサギの穴に堕ちていく渾身の映像トリップ
タイトルにもなっている、果てしなき渇きを噛み締めろ
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