OASIS

ウルフ・オブ・ウォールストリートのOASISのレビュー・感想・評価

4.3
ジョーダン・ベルフォートの回想録『ウォール街狂乱日記 - 「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生』を基にした伝記映画。
ディカプリオ×スコセッシ5度のタッグにして、ここに来て最高傑作。
これを最後に、しばしの俳優業休養に入るという。

3時間という長尺ながら、それをものともしないテンポと終始出ずっぱりなディカプリオの魅力で見せ切る作品。
ドラッグ、SEX、金に塗れた彼の生活をシリアス方面ではなく徹底的にユーモラスに描いたコメディ映画というのも好感が持てる。
女性の裸体を惜しげも無く見せつけたり、ドギツイ性描写やドラッグ描写がある事からR-18指定になっている。
劇中の発言「F○CK」の数が506回を叩き出し、ドキュメンタリーを除いて最高数になったそうな。

巨匠監督の下で水を得た魚の様に伸び伸びと、そして力強く演技をする彼の姿は、これまでのキャリア史上最も過激だがとても魅力的なキャラクターでした。
見れば見るほど、ジャック・ニコルソンに似てきて、大物の風格さえ漂ってます。

類稀な話術と奇想天外な発想で上り詰めた彼に待っているのは、転落の人生であるのは間違いない。
「J・エドガー」「華麗なるギャツビー」「ジャンゴ」など、思えば最近のディカプリオが演じた人物はどれも悲惨な運命や非業の死を遂げるものばかりだった。
そんな彼が選んだジョーダン・ベルフォートという人物は、転落しても最後には這い上がり返り咲くという、どこかシンクロする部分があったのかも。

のっけから肛門に入れたドラッグを吸引したり、尻丸出しでのベッドシーンなどとにかく過激で下品。
3時間の内3分の2はドラッグ吸ってるかSEXしてるかっていうくらいのハッスルぶり。
でも、そんな物に依存ばかりの生活であっても一番のドラッグと言える存在は「金」であるという所に行き着く。
「金」さえあれば人間はどんなどん底からも抜け出せるし、抜け出せたとしても常に頼らずにはいられない究極のドラッグであると言えるのかも。

新種のドラッグ「レモン」を服用し脳障害レベルにまでハイになったディカプリオの演技が最高でした。
親友役のジョナ・ヒルもディカプリオに負けず劣らずドラッギーな役を好演。
マシュー・マコノヒーはもっと出るかと思ったら意外と出演は少なめ。
しかし、「ンーンー、ドンドン」だけでインパクトをかっさらっていった。

@TOHOシネマズ梅田
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