人間がなにを人間として認識し、どうなれば人間として成立するかを、"恋愛"という限りなく主観的な価値で描いた映画。
科学的なトレンドを多角的に抑えつつ、ラブストーリーとしてもSFとしてもやたらおもしろいトリッキーかつ贅沢な作品です。
AIとの恋愛やセックスが、巧みな心理描写で劇中で描かれることにより、むしろ自分たちが映画における"恋愛の成立"をどのように認識しているかも考えさせられます。
端的に言えば変態のお話なのに不思議なほど共感することができ、肯定する友人にもすんなり同調できるあたり、テクノロジーのパラダイムシフトが静かに私たちの意識を変化させている薄気味悪さも感じます。
ラストはWIREDのコラムみたいでしたね。