伊達巻

もらとりあむタマ子の伊達巻のレビュー・感想・評価

もらとりあむタマ子(2013年製作の映画)
3.7
「恋に部活に忙しいんだよね、誰かと違って」タマコへの態度がだんだん緩くなってくるヒトシ君がいい味だしてて笑う。「ダメだな、日本は」とかちょっと分かりやすすぎないか、と思った序盤だったが身に覚えがありすぎて何も言えない。ふたりでご飯たべるシーンの、気まずさとナチュラルさの間の感じ。ば先の上司にあれ就職は?みたいな感じに聞かれて今モラトリアムなんですーって答えたらガハハそーかそーかがんばれよと笑ってくれてなんか嬉しかったのを思い出した。しかも23歳って。なんか最近奇跡的に同い年の主人公と出会う率が高い気がする。怒鳴った父が独りさりげなく向け続けるタマコへのまなざしがやさしい。山梨、周囲に高く聳え立つ山々の無意味さ。『もっと超越したところへ』で前田敦子が「だらだらしてないで就職しろよ!」的なことをさも正論のように語っていて色んな意味で怯えた経験があるのでこの映画で再開できてなんかうれしい気持ち。全然こっちのほうがいい。尺もこの映画らしくて良い。唐突のエンドロールの源くんでわーんとなった。消えていく 消えていく我は 落ちていく そんな詩的な感じでもないが、良い映画だったと思う。このポスターのタマコも団子持ってるが、神社の横でこの世のすべてを妬むような顔して団子を食すシーンが好き
伊達巻

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