公開当初、娘と映画館で。CMにもかなりの金を掛けた割には客の入りが少ない。アニメを含めた邦画が主流となったこの国の劣化を肌で感じる。監督はクリストファー・ノーラン、キャストにはマシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、マイケル・ケイン、マット・デイモンと豪華絢爛。環境悪化で食糧難となった地球を捨て、新天地を求め土星近傍のワームホールを目指す極秘ミッション『ラザロ計画』。主人公が辿り着いた先には、臨終を迎えようとしている年老いた最愛の娘が。現代のCG技術で蘇るノーラン流『2001年宇宙の旅』。『アルマゲドン』のような、父と娘のベタでストレートな愛情物語を期待していたが、そこはノーラン、時間を超えたより高次の悟りの愛を描くことに成功。圧倒的な宇宙空間演出と最新の理論物理学に裏打ちされたストーリー展開は、今は貴重種のSFファンを唸らせること必至。ただ、惜しむらくは、父と娘の関係をもっと深く掘り下げた方が良かった気がする。個人的には『コンタクト』の方が好きだが、スケールの大きさではそれを凌駕する、ノーランの代表作となることに間違いはない。
