空海花

インターステラーの空海花のレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
4.8
TENET公開前日、
「インターステラー」を初IMAXレーザーで。

最強のスタッフとキャストで紡がれるSF大作。
圧倒的な映像と音響体験は本当に素晴らしい。

トウモロコシ畑と広大な大地、吹き荒ぶ砂嵐。
宇宙へ飛び立つ際の不協和な爆音と、宇宙空間の無音。
水の星は異質さと無機質な氷の星。

「2001年宇宙の旅」を思う。

それとは別に
“愛=MC2(二乗)”の方程式を思い出した。
80年代の少女漫画のとある単発エピソード内にある台詞。
話自体はこの映画の内容と全く関係ないけれど
一応彼氏役は宇宙飛行士でSF要素を含む。
当時、この映画のテーマがすんなり受け容れられる助けにはなった。
愛は相対性理論のエネルギーのように時空も次元も超えるんだ、と。

脱線ついでに言うと、
少し前に昔のSF漫画を長編短編読んでいて
超光速だと時間の進み方が遅くなるとか
重力やブラックホールとかの認識が抵抗なく入ってきて
何だか新しい快感をもらった感じ。
原作は70-80年代のイギリスSF小説だから、ノーランも触れていたと想像するくらいなら許してもらえるかな。
内容はもちろんまったく異なるが、
ジェイムズ・P・ホーガン初期作品の、
科学はどうあるべきか
というテーマもインターステラーに通ずる。

しかし今作はそういう理解よりも、
この映画の言いたいことを色々思いを巡らせながら観て聴いて
存分に体験するのが楽しいと思う。
サスペンス的にどんどん進み、
バッサリ省略したり緩急激しく
クライマックスは複数。
観客も時間を超える?
3時間の上映時間があっという間。

嘘が転換点。
でも好きなのは、ロボットの優しい嘘。

謎と整合性。かなり男っぽい骨格の作品だと感じる。
その点ストーリーはわずかに引っ掛かるが、
その中で愛を膨らませる2人の女性が活きている。

歴史に残る傑作だと思います。
将来、5次元の本棚に入っているはず。


2020劇場鑑賞No.86/total122
空海花

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