りんごチャン

ノスタルジアのりんごチャンのレビュー・感想・評価

ノスタルジア(1983年製作の映画)
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初のタルコフスキー作品。

私には解釈が難しかったけど視覚と聴覚は充分に満たされた。特に狂人と呼ばれるドメニコの廃墟に主人公の作家アンドレイが訪れた時の水のモノクロ映像と弦を扱くような研磨音に別世界へ誘い込まれた。ドメニコが告げる「もうすぐ世界の終わりが訪れる」や「ロウソクに火を灯し温泉を渡り切れば世界が救われる」などの言葉は、この作品完成後に亡命したとされるタルコフスキーの愁訴にも感じられた。

普段ならリタイアしそうな難解さだけど妙な中毒性がありまた観たいと思える作品だった。「惑星ソラリス」「僕の村は戦場だった」も早く観たい。