ラダ

グランド・ブダペスト・ホテルのラダのレビュー・感想・評価

4.8
アステロイド・シティを観る前に、本作を観てウェス・アンダーソン汁を身体に染み込ませようと企む。見事に汁まみれだ。

エンターテイメントと言うエンターテイメントをごった煮にして皿に整然と盛った至極の時間。ハラハラしてニヤニヤして、荘厳だけどチープで、軽薄に見えて思索的。

そして、豪華なキャストが、謎めいた脚本が、軽快で耳に残る劇伴が、圧倒的に美しく、ただただ美しい、一流の画家が一生をかけて描き続けた画集のような映像を引き立てる。自らの興奮と比例するように、テンポよくページがめくられていく。刺激的なカメラワークが脳を汁漬けにする。

映画も料理もやり過ぎると胸焼けするものだが、このムカムカ具合すら心地よい。さて観るぞ。待ってろアステロイド・シティ。
ラダ

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