最初に観た時は話の展開が早くて着いていけなかったけど、2回目でやっと楽しむ余裕を持って観られた気がする。物語の中に物語があって、その中にも物語がある。
殺人事件、脱獄…。ありとあらゆる映画で使い古されてきた題材だけど、ウェス・アンダーソン仕立てだとこうも新鮮に映るのか。コメディと呼ぶには些細過ぎるクスッとなるような笑いの要素や、突然思い付いたように始まる詩の朗読。こんなにも本題である殺人事件から話が逸れることってある？って思うほど移動中のさほど重要じゃない場面も隙がない完璧さ。脱獄のシーンはまるで迷路みたいで思わず見入ってしまったし、ジョプリンとの追いかけっこもゲームみたいでまるでピタゴラスイッチを見ているようだった。こんな遊びみたいな逃避劇私も混ざりたい！
子供の棺サイズの箱に入った5ダースのチューリップ、顔にメキシコの形のアザのある女の子…。ウェス・アンダーソンのロマンチックの感性には毎度惚れ惚れする。
