こたつむり

盲獣VS一寸法師のこたつむりのレビュー・感想・評価

盲獣VS一寸法師(2001年製作の映画)
2.4
♪ ところは浅草 ロック座あたり
  うつろう男は狂人気取り
  大きな時計を横抱きに
  月夜を見上げて にやついている

志は高いけど予算は低い…そんな作品でした。
昭和初期が舞台なんですが、予算がないのでアップを多用。現代的な部分を映さないように苦心しています。

でも、それは難しい話。
ロケ地を厳選しても完全に排除するのは無理でしょう。とある場面にプラスチック製のジョウロが映っていたので「あー、見逃してらあ」と肩が下がりました。

それに違和感が強すぎます。
ただでさえ、物語が“素っ頓狂”ですからね。猟奇的な雰囲気を醸したいのは分かりますが、カルトというよりもチープ。高校の文化祭のような感じが最も近い感じ。

あと、棒読み演技は演技指導なんでしょうか。
そもそもの配役も微妙なんですが(明智小五郎役に塚本晋也さんはない…絶対ない…)全員が全員、セリフを置くように吐き出すんで、物語に寄り添うことができません。

というか、脚本もヒドイですけどね。
タイトルの『VS』にしても強引な解釈。タイトル詐欺として訴えられても不思議ではありません。きちんと結合できないなら無理にくっつける必要はないと思うんですが…。

まあ、そんなわけで。
口を開けば悪いところしか言えない作品。
最大限に贔屓目に観ても、オープニングの雰囲気くらいしか褒められません。あとは製作姿勢でしょうか。猟奇的なものを作りたい!という気概だけは伝わってきました。

ただ、その割にエロは杜撰。
量を確保すれば良い、という“投げやり”な印象を抱きました。折角、女優さんが脱いでいるのに、全然ググっと来ないのは残念の極み。ぶっちゃけた話『ドリフ大爆笑』のポロリの方がエロいと思いますよ。

観賞後に知りましたが、現役の県会議員さんも脱いでいたとか(撮影当時は普通の女優さん)。そういう意味ではお宝映画なのかもしれません。誰得な話ですけど。
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