タカシサトウ

クラッシュのタカシサトウのレビュー・感想・評価

クラッシュ(1996年製作の映画)
3.7
 ジェームズ(ジェームズ・スペイダー)とキャサリン(デボラ・カーラ・アンガー)の夫婦が、ふとしたことから、自動車事故に魅せられていく、という奇妙な話。

 事故の映像なので、こちらは気分の悪くなるような。そして、自動車事故を見たり、体験することで興奮するような、変態的な映画だと思うが、独特の世界。自分はこの映画を受け入れることはできないが、観ることを、途中で辞めようとは思わず、最後まで気になる映画だった。

 ジェームズとキャサリンが、こういう、死に限りなく近い体験を通して、二人の何かを回復しようと取れなくもない。 

 こういう映画は、倫理的な問題があり、もう作られないだろう。
カンヌ映画祭で、フランシス・フォード・コッポラが、受賞に大反対したそうだけれども、どう言ったのかちょっと気になる。

 デヴィッド・クローネンバーグの映画としては、彼らしいのかもしれない。「ヴィデオドローム」「デッドゾーン」に続いて観る(2023.9.3)。