シネラー

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのシネラーのレビュー・感想・評価

4.0
MCU第10作であり、
宇宙の荒くれ集団である
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
の初登場作品を再鑑賞。
単純に楽しむ事ができる、
SFスペースオペラの
傑作ヒーローチーム映画だと思う。

インフィニティ・ストーンの一つを
狙うロナンを阻止する為、
宇宙の荒くれ者達が
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーを
結成していく物語が展開されるが、
今までのMCU作品とは大きく異なる
作風となっており、
一気に世界観を広げたスペースオペラ
と言えるだろう。
後々のMCUを考えると、
地球を守るアベンジャーズと
宇宙から侵攻するサノスを繋げる
大事な役回りであると感じられた。
基本的にはSF満載のアクションが
描かれていくが、
主要人物達の繊細な人間描写も
しっかりしていて良かった。
地球人であるスター・ロードこと
ピーター・クイルをはじめとする
ガーディアンズの面々それぞれが複雑な
生い立ちを背負っており、
そんな彼らが最終的に家族と呼べる仲に
なっていく過程が丁寧に描写されていて
良かった。
冒頭で実の母親の手を繋ぐ事が
できなかったクイルが、
仲間達と手を繋ぐ場面は良い結末だった。
又、銀河系を常に取り締まる組織と
ガーディアンズが手を結び、
共に戦うという構図も好きな展開だった。

ユーモアや音楽という部分にも富んでおり、
冒頭のタイトルの出し方は
良いセンスと感じざるを得ない。
その楽曲自体を知らなくても
良い曲だと感じてしまうのは、
劇中のガモーラと同じ感覚であると思えた。
加えて、ふざけたユーモアを
無駄に終わらせないで、
後々に活かしてくれているので、
そういった点でも無駄が無い映画だと思った。
銀河を救う隙をつくったダンスは、
流れや間も含めて好きな場面だった。

壮大な世界観や色彩が
苦手と思う人もいるかもしれないが、
作品としては笑って泣ける
家族愛に溢れた映画なので、
あまり気構えずに観て欲しい作品だ。
ヒーロー映画として異彩を放ち、
見事な傑作だと改めて思った。
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