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ブルージャスミンのRyuのレビュー・感想・評価

ブルージャスミン(2013年製作の映画)
3.5
ファーストクラスでサンフランシスコにやってきたジャスミン。実業家の夫 ハルのもと、セレブ生活を満喫していたが、ハルは詐欺罪が発覚し逮捕され、ジャスミンも全財産を失う。そこでサンフランシスコに住む妹 ジンジャーの元へ居候しにやってきたのだった。ジャスミンは新たな街で再起を図ろうとするが、結婚を機に大学を中退しており、キャリアもスキルも何一つ持ち合わせていなかった。

第86回アカデミー賞において、ケイト・ブランシェットが主演女優賞を受賞した。
主人公のジャスミンがまぁとんでもない女で、見ていて非常に不快なキャラクターでした。セレブから一気に転落し、居候を余儀なくされることになるのですが、自己中で傲慢な彼女には庶民の生活が耐えられません。それに苦しむ様には「ざまぁみろ」とさえ思いました。確かに夫に振り回されたところもあるし、被害者な面もあるかもしれないけど、それにしても、あの性格は癪に障りすぎます。元セレブが庶民の生活に噛み合わない様子をコメディとして描いており、確かにおもしろい と思えたりもしたのですが、痛々しくて見てられない とも思ったりもしました。
そんなキャラクターを体現したケイト・ブランシェットの演技は凄まじいもので、これは間違いなくオスカーでしょうね。
主人公のジャスミンが完全に悪い、反面教師ってわけでもなく、妹のジンジャーもちょいと危ないんじゃないかと思える面もあったりして、お金>愛とお金<愛の対比も中々おもしろいのではないかと思いました。ジンジャーの元夫や彼氏、浮気相手も全員、なんかイヤなところがあったりしました。今作は人のイヤな部分がデフォルメされて前面に出ていて、おもしろさもあったけど、それ以上にイライラが募ってきちゃいました。
映像や演出はウディ・アレンらしいオシャレなものとなっており、ストーリーも滑稽なものだとは思うのですが、ケイト・ブランシェットの痛々しい演技が素晴らしすぎて、笑いと怒りを両方感じる作品でした。
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