とても苦しい、贋作の物語。
女性が苦手で孤独を愛してきた鑑定人のヴァージルが、なぜか姿を見せない依頼人クレアと知り合い、彼女との触れ合いを通して愛を知るが…。
このクレア、絵に描いたような面倒くさい女。
すぐキレるし、と思ったらすぐ謝るし。
でもヴァージルおじいちゃんはメロメロ。完全に恋は盲目状態。
人間の感情はいくらでも偽装できる。
愛でさえ。
「いかなる贋作の中にも、本物が宿る」
ラスト、めちゃくちゃつらかった。今まで観たどの映画よりもつらくて悲しくて苦しくなった。
愛はいつだってつらいもの。
人の感情は偽装できるもの。
本当に苦しい映画だった。
ラスト20分はずっと胸が締め付けられるようだった。
でも、今まで描かれてなかった「偽装の中にある本物の愛」を描いたという意味では、非常に価値ある映画だと思う。