北朝鮮工作員のチーム4人組が家族を装って一つ屋根の下で暮らす。隣の家は夫婦喧嘩が絶えない。任務をこなす工作員たちと、一見家庭円満とは言い難い家族との関わりから、少しずつ普通に暮らす南の人たちへの想いが止まらなくなる。
ずっと気になっていた作品。キム・ギドク脚本なのすっかり忘れてた。祖父、父、母、娘の役を演じながらも時折押しつぶされそうになるそれぞれの胸の痛みが伝わってくるよう。くすっと笑える展開もあるのでメリハリ効いてて見やすい。祖父を演じるミョンシクが、自由行動を許された日にこの偽装家族で動物園に行こう、と提案する場面が切ない。娘を演じるミンジがどんどん可愛く見える、隣に住む男の子とのやり取りがこれまた切ない。家族の喧嘩ができる幸せ。喧嘩も羨ましいと気持ちを押し殺す様子に胸が詰まる。終盤は涙が出た。祖国にいる家族を守るため、と言うがもう何年も会ってない。本当に無事かも分からない。監視され会話も筒抜け。生きた心地しない。私のようなつい本音が出ちゃうタイプは速攻抹殺されるだろう。あ。その前に工作員に選ばれないか。いや、その前にそう言う環境で育ったら本音が漏れちゃうような生き方出来ないか。工作員のチーム4人がラストは愛おしくて仕方なかった。
