アイリス

インセプションのアイリスのレビュー・感想・評価

インセプション(2010年製作の映画)
5.0
もう観たの5回目ぐらいだけど、レビューは書いてなかったので改めて。絶対に2回観たくなるSF映画の最高傑作。

中学生の頃、明晰夢が面白くて、友達と色々研究していた。どうやれば明晰夢を見易いのか、どうやって早い段階で夢だと気付くことができるか、どこまで非現実的な現象を起こせるか……。

多くの場合、明晰夢は起きる直前のような非常に浅い夢(半分寝ていて半分起きている状態)で見ることができて、そう長くは続かない。また、頭を使えば使うほど覚醒に近付いてしまうため、例えば、向こう側の景色を想像する必要がある壁抜けを行うと、その時点で目が覚めてしまったりする……とか、色々調べては報告し合い、分析し、原理を理解して、より明晰夢を長く楽しめるよう練習を繰り返していた。

そんな少年?時代があったからか、この映画を初めて観た時には、ワクワクが止まらなかった。なんて面白い設定なのかと。夢の中で更に寝て、別の夢を見ることができるかとかも実験してたからね。この映画的に言えば、第2層までは実際に見たことある。笑

とにかく設定が独特で秀逸。本当によく練られてるし、他の追随を許さないほどにユニーク。この設定を活かすストーリーも抜群。脇役まで含めてキャラも立ってるし、本当に欠点がひとつもない。
 
そして何よりも、話の核が強烈に切ない。主人公コブが植え付け(インセプション)は可能だとする根拠である過去の経験が最高にエグい。あまりにも重く切ない。これスターウォーズだったら暗黒面に2回ぐらい堕ちてる。そんな重過ぎる過去を背負ってもなお、子供に会うために手段を選ばず行動する主人公とか最高かよ。もうこの設定だけで、コブの一挙手一投足がカッコイイんです。

本当に複雑で難解な作りだけど、だからこそクライマックスが最高に痺れる。1回観てよく分からんかったという人は、何回か観るなり解説読むなりして、是非100%楽しんで欲しい。そういう意味では、頭空っぽで楽しめる映画ではない、というところが唯一の欠点か。

なお地デジで右上に階層表示したテレビ局は絶許。
アイリス

アイリス