鎌谷ミキ

FORMAの鎌谷ミキのネタバレレビュー・内容・結末

FORMA(2013年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

主要登場人物をおさらい。

綾子…高校ではテニス部補欠(ぐらい)現在は小さな化粧品メーカーの主任。父が由香里と付き合っていたことが発端で母が出ていき、父と二人暮らし。
由香里…高校ではテニス部キャプテン。とある企業に勤めていたが退社して、警備会社で交通誘導をしている。なんらかで知り合った彼とは婚約済み。綾子の父と付き合っていたことは、とっくに忘れている。一人暮らし。
(長田…職場のファミレスで由香里を見かけた時から、ストーカーまがいのことをする。綾子と由香里が倉庫で話し合うことを知るのは、盗聴でもしていないと物理的に不可能。綾子の死体を処理して、服をコインランドリーで洗っていた。綾子の父にテープを届ける描写も)

アンチテーゼ(対照的)ということで、二人の社会的な立場が全く違うことを表している。そこからスタートする本作。二人が中高一緒という所から「憎悪」ははじまっていた。監督は、綾子にその矛先を向けようという流れだと感じましたが、同性なら由香里も…という勘が働くと思います。
長田の存在ですが、第三者がいなければ録画テープは発見されませんでしたし、ストーリーの流れに欠かせない上に、かなり不気味である。

坂本あゆみ監督、本作がデビュー作とは思えない完成度の高さ。塚本晋也監督の照明さんだったと舞台挨拶で知りました。吉田恵輔監督とも繋がっていて、本作の脚本は「ばしゃ馬さんとビッグマウス」共同脚本家、仁志原了氏(出演もされている)25稿もあるという、脚本の巧妙さ。

二回間を空けずに観に行った作品は、本作が初めてに近いです。サスペンスというよりも、時間軸を駆使した作品としても絶品!
鎌谷ミキ

鎌谷ミキ