HicK

ドン・ジョンのHicKのレビュー・感想・評価

ドン・ジョン(2013年製作の映画)
3.8
《改めて考えるパートナーとの関係性》

【恋人に求めるもの】
ジョセフ・ゴードン演じるジョンは性欲旺盛。スカーレット・ヨハンソン演じるバーバラは相手を自分の思い通りにしたい。種類は違えどお互い自分本位。そこに加わる人生経験豊富なジュリアン・ムーア演じるエスター。「恋愛は相手の事を思ってこそ成り立つ」それが一番のメッセージだった。

【男目線】
主演のジョセフ本人が監督、脚本という事で男子目線の物語に説得力がある。男にとってのあるあるネタを散りばめ、この手のラブコメ系作品を見ないような男性もターゲットにしてるよう。人によって共感しやすいテーマだと思う。ガールズムービーに対抗した"ボーイズムービー"的な。もちろんバーバラに共感する女性もいると思う。

【面白いツイスト】
スカーレット演じるバーバラもジュリアン演じるエスターも、人物設定に偏見を活かしたツイストを交えていて面白かった。どちらが真っ当か、どちらがクレイジーか。劇中はその境目があやふやになり、いい意味で裏切られた。

【総括】
完全なラブ&コメディー作品ではなく、テーマに対して意外と真面目に向き合っていた点が好印象だった。もしコメディーに振り切っていたら、単なる下ネタ作品になってしまっていたかもしれない。ジョセフ監督の絶妙なバランスが良かった。パートナーとの関係性を改めて考えるキッカケになるかもしれない作品。
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