がんちゃん

ホドロフスキーのDUNEのがんちゃんのレビュー・感想・評価

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)
4.1
全クリエイター必見!
鬼才アレハンドロ・ホドロフスキー監督の「ホド爺語録」が炸裂する爆笑と感動のドキュメンタリー。

冒頭の引用文や、監督自身が「預言書のような映画を作りたい」と話していることから、本ドキュメンタリーは一連の顛末をキリストの受難になぞらえて作られている。

ただし監督個人を過剰に神格化することは避け、あくまで「ゆかいなホド爺」として面白おかしく観られるような演出はよかった。

「この映画に携わる者は皆、魂の戦士でなくてはならん!わしは魂の戦士を探す旅にで…おっとうちの猫ちゃんだ。おいで( ´ ▽ ` )ノ(=・x・=)」
…インタビューの最中に突然猫に話しかける魂の戦士!(笑)

かくして前代未聞のSF超大作『DUNE』のスタッフ・キャストを集める旅にでる若き日のホド氏。彼が起こした奇跡の数々に刮目せよ!

・気鋭の特撮担当オバノンを上物の大麻で誘う
・プログレの大御所ピンク・フロイドにブチ切れる
・怪人ダリが次々にふっかける無理難題をとんちで切り抜ける
・息子を魂の戦士にすべく週6で空手を習わせる

…いっちゃってるぅ!
そしてキリスト12使徒にも劣らない当時最高のメンツが揃うも、「あんな変態に映画を任せられるか」という配給会社の非協力によって映画は制作中止となってしまう。

しかし、映画史の闇に葬られたかに見えた『DUNE』の魂はクリエイターたちの中で生き続け、今も多くの素晴らしい作品が生まれ続けている。ルーカスのスターなんとかって映画が生まれたのも多分『DUNE』のおかげなのだ(どや)

御歳87で未だ現役。ホド爺語録を集めた日めくりカレンダーがあれば是非amazonで予約したい。

「わたしは鏡を見ないから、心は今でも少年のままなのだ」
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