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パラダイス 愛の&yのレビュー・感想・評価

パラダイス 愛(2012年製作の映画)
4.0
【2014/3/16:ユーロスペース】
はじまってすぐにこれは自分好みの作品だなと思い、その通りだった。まあ、3部作のうちの1作だよねって感じの緩さは否めないが、その未完結感がキライではない。
セックス観光に来たけれど、真実の愛を希求しすぎるゆえ他のおばさんたちほどにはノれないテレサ。そんなテレサがロープを越えて手に入れたかに思えた愛がどんどん醜いものに姿を変えていく様はなかなかグロテスクで悪趣味。コレに「愛」なんてタイトルつけちゃうあたり、ザイドルさんヤなヤツなんだろうなー。凡人なら「自尊心」とかつけちゃうよ。ぜんぶ褒め言葉です。
人種や貧困が絡む話だけど、そういうスキャンダラスさはなく、淡々ときどきユーモラスにデブおばさんのバカンスを記録していく。ラストは生(性)と自意識の崩壊か、現実によるしっぺ返しか。或いは単なる開き直りとか。どう捉えてもいいんだろうけど、このラストは3部作全ての中でも最も暴力的なシーンのひとつなんじゃないかと、わたしには思えました。
狙いすぎ感はあれど、なんだかんだこういう絵作り大好き。垂れ下がったおっぱいを「up,down, up,down,」の件などシュールで笑えたし、旅行好きなわたしは「旅あるある」的にも楽しかった。でも中身は意外と身につまされる話。わたしもおばさんだし、気をつけようっと…、、
パラダイス3部作で一番好き。「シュガーママ」ってイイ語感!
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